慶應鶏肋録

めし、フロ、慶應通信の勉強(卒論)、ついでの雑用とか

【倫理学】奥多摩で「人間の現在」を読みはじめる #0-1

奥多摩の友人宅に泊まりに来ています。 案外蒸し暑くて、ビールがどんどん消化されちゃうんですが、家の中にいても(クーラーがないので)飲んだ端からどんどん蒸発していく感じです。500ml缶5本飲んでも酔っているという自覚はありません。

そんな中でも、立花隆「人間の現在」を読みはじめています。 「人間の現在」は、月刊「新潮」に1997年6月号から2002年9月号まで全57回にわたり掲載された、「東大講義『人間の現在』」のことです。

その第1回から第12回(それがちょうど一年分)までが新潮文庫で文庫化されているんですが、おそらくいまは絶版に近い。

脳を鍛える―東大講義「人間の現在」 (新潮文庫)

脳を鍛える―東大講義「人間の現在」 (新潮文庫)

残りの掲載分はというと、要するにまだ新潮に載ったままの状態で、読者からするとほったらかしにされている。 全体の構想は単行本全5巻構成の予定であり、第2巻目はゲラになっているという。第1巻目は「脳を鍛える」というサブタイトルで、第2巻目は「進化のコスモロジー」の予定だというが、そこからこっち20年以上第2巻目以降がでていない。

立花さん自身、この本は講義録になっているが単行本化した時点でほとんど書き直しとっていて、つまりは講義で漏れた重要な点とか最新情報とかを加筆修正しているということだが、とすると、わたしの手元にある第13回~第57回の講義録(「新潮」掲載のコピィ)の膨大な講義録の加筆修正には相当な時間がかかるだろうと推量するが、にしても20年というのは長すぎる。せめて3巻目くらいまででてくれたらよかったのになあと思う。

ましてや昨今のAIだのVRだのIoTだのといった技術的進歩は、20年前の講義ではなかなか細部までは見通せないところであり、立花さんからすれば掲載時のコピィなんぞは古いとされてしまうに違いない。

だが、第1巻目もそうだが、書かれている内容はむしろ原理原則や本質的なことであるので、表面的には古びているようであっても現在も通用するところはあるのではないか。

そんなことを思いながら、第1巻目を再読しはじめたのでありました。(つづく)