慶應鶏肋録

めし、フロ、慶應通信の勉強(卒論)、ついでの雑用とか

【西洋外交史】歌舞伎でいうなら「たっぷり!」~テキスト通読中 #1 

5時起床。今日は10月~11月なみに暖かくなるとかです。

今週の行き帰りの通勤電車のお供は、[西洋外交史]のテキストです。
昨夜、夜間スクーリングの後で〈法学部チーム〉で話をしたさいに話題になった速読のこと。も少し詳しく聞きたいなと思いますが、ふといま読んでいるこの[西洋外交史]、なんつーかですね、先生(内山正熊先生)の思い入れがたっぷり詰まった筆致ゆえに、速読を阻むような気がしています。
要するに、物語風なんですよね。なんか楽しいんです。

外交と国際政治―理論と歴史 (1960年) (慶応義塾大学法学研究会叢書〈第5〉)

外交と国際政治―理論と歴史 (1960年) (慶応義塾大学法学研究会叢書〈第5〉)

※写真はテキストではありません。

たとえば、こんな下り。

周知のように、ソヴィエトの革命は、ドイツ軍最高司令部が企てた最新式の革命方式によってひき起こされたものである。それは、スイスに亡命中のレーニンを秘密列車でロシアに移送し、ボルシェヴィキ革命をおこして帝制ロシアを倒したのである。

ロシアに移送云々は知っていたけれど、それが「最新式の革命方式」と言われたら思わず前のめりになってしまう。これは「周知のよう」なのでありましょうか。わたしは不勉強ゆえに知りませんでした。これ、冒頭p.2で登場します。

このあとに、第一次大戦で敗戦国となったドイツへの天文学的な賠償請求とか戦争責任とかの記述がつづくのですが、ヴェルサイユ講和条約をめぐる先生の筆致は、明らかにドイツ贔屓であります。

一転して、三〇年代に入って急速にヨーロッパの危機が高まったのは、ナチスドイツが勃興したことによるにせよ、もとはといえば矛盾に満ちたヴェルサイユ講和条約があったからであった。実際、ヨーロッパの政情が悪化した根源は、ヴェルサイユ講和条約にあったのである。この条約は、平和回復を唱えながら、非常な無理な条項で充満していて、幾多の不安、動揺の種子を含み、爆発的要素を包含していったのである。

最後の一文は、つまりどゆこと? ではありますが、歌舞伎で言うなら「たっぷり」といった感じでしょうかw

このテキストに関する限り、速読はできないかもしんないですけど楽しみたいと思います。熟読玩味が合うカモですね。