慶應鶏肋録

めし、フロ、慶應通信の勉強(卒論)、ついでの雑用とか

【四十を過ぎて父親に #1】 はじめに。

f:id:zocalo:20120516175932j:plain

2回目の1年間育休

僕は去年(2013年)秋に生まれた息子(長男)を世話するために、かみさんと育児休業を取っています。
期間は1年間。
しかも、長女のときにも取っているので、これで2回目。
僕もかみさんも今年46歳。はじめての子どもを42歳、次を45歳のときに授かりました。
子どもたちが成人するころはほぼ70歳です!
さらに、僕は最初の子どもが生まれるときに鬱病に罹っていました。

1年の育休って、長いと思われますか?
ケンカ売ってるわけではないので先に謝りますが(笑)、長いようでいて、今年秋までなので、じつはもう半年もありません。
秋風が吹いて、たちまち冬になり、春の雪解けを経て、いまはもう梅雨真っ最中。子どもの世話をしているとほんとうに一日が短く感じられます。秋なんて、あっという間にやってくるでしょう。

かさこ塾がきっかけに

息子もだいぶ落ち着き、娘(長女)も進級した保育園でも新生活に慣れてきたところで(それでもまだ感情の上下はけっこうありますが)、かさこさんの「かさこ塾」(「好きを仕事にする」ブログ術&セルフブランディング術実践編)というセミナに参加しました。
そのセミナは、ぼくにとってとても有意義なものでしたし、ここでこうしてブログをつけているのもかさこ塾頭の叱咤激励ゆえであり、そこでお目にかかったみなさんそれぞれに個性と興味のかたまりのような方々ばかりで、素敵な1ヶ月を過ごさせてもらいました。

そのかさこ塾セミナを受けていたときに、みなさんからいくつかの「気づき」というかフィードバックをいただく機会がありました。
そのなかで目立ったひとつが、高齢妊娠/高齢出産の話、高齢での子育ての話、育児休業をどう取得するか、取得しての子育ての話、といった、いわゆる子育ての話に関してでした。

「文月さんの子育てのお話が聴きたい」(これは女性からの希望)
「よく一年も育休とれましたねえ」(これは男性から。質問と言うより驚き)
「奥様、よく頑張りましたよね」(これは女性からの感嘆)

イクメンなんてかっこいいもんじゃない

よく「イクメンなんてすごいじゃないですか」と言われますが、他の方は知りませんが僕自身はそんなカッコイイもんじゃありません。
子育てなんて、もっと地味だし泥臭いし疲れるし格好いいシーンなんてないし、と僕は思っています。
というようなことを言うのですが、相手の反応を見ると、なんとなくうまく伝わっていない気がする場面が多いです。

つい先日も、とある会合でお目にかかった方から、「じつは文月さんの経歴を見て、いちばん聴きたくてウズウズしていたのは子育ての話なんです」と言われ、思わず「いくらでもしゃべれますよ!」と即応していました(やべ、その人と今度の日曜日に会うんだった)。

というようなこともあり、育休が残り半年を切ったこともあり、これから3人目はおそらくないということもあり、このあたりで僕の子育てのことをまとめていってもいいかなと考えました。

もう一度「子育て体験記」に挑戦

以下の文章は、2年くらい前に、自分のブログで書きはじめた「子育てについて思うこと」からの転載です。
けっきょく、そこではうまくかたちにはならなかったのですが、過去の文章をたよりにして、今回また書いていこうと思います。

◇2012.2.29
雪の日でしたが、今朝も昨日と同じようにわが娘を保育園に送っていきました。
ビニールの覆いに包まれたベビーカーのなかから、娘は降りしきる雪片をじっと見詰めています。いつもなら、あたりの景色を見渡しながら、「ぱーぱ、まーま」云々と途切れることなくしゃべっているのですが、今日に限っては静かです。
彼女にとって異世界体験なのでしょう。

「雪だよ。今日はお外で遊べないね」と僕は語りかけました。

f:id:zocalo:20120229091935j:plain

今年になって何度目かの雪は、しかし1歳数ヶ月の彼女にとっては生まれてはじめて認識する雪かもしれません。まだ親子の会話は成立していませんが、そろって同じ景色を見られることの貴重さなんて、1年前には考えもできませんでした。

それは子どもが乳児だったからというより、僕が鬱状態だったから、そんな余裕もなかったのでした。
僕が鬱で苦しんでいた時、僕の子育てがはじまりました。ゆっくりと休むべきときに、とんでもない負荷が降りてきたのです。(つづく)