慶應鶏肋録

めし、フロ、慶應通信の勉強(卒論)、ついでの雑用とか

0112 小説・創作

【らじおトーク #103】 「ジュール・ルナール『にんじん』はずいぶんえげつない物語だった」の巻

小学校の課題図書などでおなじみの、ジュール・ルナール『にんじん』。 その新訳が新潮文庫に登場! みなさんは読まれたことありますか?にんじん (新潮文庫)作者: ジュールルナール,Jules Renard,高野優出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/09/27メディア:…

【刺さる読書#56】ケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす』は80年前の小説なのに、「週刊新潮」の臭いがプンプン(笑)。

ケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす(THE POSTMAN ALWAYS RINGS TWICE)』(光文社古典新訳文庫版)、読了。 この小説、さいきん新潮文庫からも新訳されている。何回目化の映画化があるのか、どうなのか。郵便配達は二度ベルを鳴らす (光文社古典新訳文庫)…

【刺さる読書 #038】柳広司『虎と月』を読んで、漢字の奥深さを改めて知りました

柳広司『虎と月』(文春文庫)、読了。 中島敦「山月記」をモチーフにしたミステリ。モチーフというか、後日談といってもいいか。虎と月 (文春文庫)作者: 柳広司出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/01/04メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見…

【らじおトーク】第93回「レイ・ブラッドベリ『華氏451度』新訳版を読んだ!」の巻

那古野のホンちゃんとの恒例行き当たりばったり合評会。 今回はレイ・ブラッドベリ『華氏451度』を読みました。 新訳版です。伊藤典夫氏による「訳しなおし」。 翻訳家さんの執念も感じさせる一冊となっています。華氏451度〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)作者:…

【刺さる読書 #37】アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』を読み終わったら、怖くなってついあたりを見回してしまった 2@.2@.

ネタバレあります。アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった(AND THEN THERE WERE NONE)』(青木久惠訳、ハヤカワ文庫)、読了。いわゆる「クリスティ文庫」*1もkindle版でたくさんででいるが、これらは新訳版なんだろうか。そして誰もいなくなった (…

【刺さる読書 #36】獅子文六『コーヒーと恋愛』で感じる、昭和時代のおおらかさ

獅子文六『コーヒーと恋愛』(ちくま文庫)、読了。この本を買ったのは紀伊國屋だったと思うが、あちこちの書店で「今年一番の小説」云々とイチオシだ。コーヒーと恋愛 (ちくま文庫)作者: 獅子文六出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/10/04メディア: Kin…

【刺さる読書 #035】カフカ『変身』でわかった、古典はエンターテインメントだよ

お盆の時期でお休みの方も多いので、ここしばらくはエンターテインメントの作品の感想文をあげることにします。 ネタバレ記述あり。ということで、まずはフランツ・カフカ「変身」(丘澤静也訳、光文社古典新訳文庫『変身、掟、その他2篇』所収)。 はじめ…

【刺さる読書 #031】米原万里『オリガ・モリソヴナの反語法』を懐かしく思い出した、夏の宵の口

ちょっと調べ物をしていたら、昔読んで書いたレビューを見つけました。 懐かしくて、ついサルベージ。オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)作者: 米原万里出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/10/20メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 88回この商品を…

【刺さる読書#028】小林泰三『アリス殺し』はホラーっぽいミステリで夏向きかしら

例によって、ネタバレっぽい記述あり*1。小林泰三『アリス殺し』(東京創元社)、読了*2。2014年度の「このミステリーがすごい!」4位作品。こういうランキングでは、4、5、6位に位置づけられるという中途半端さが個人的には愛おしい。アリス殺し (創元クラ…

【刺さる読書#026】永井龍男『回想の芥川・直木賞』を読んで解る、やっぱり昔から芥川賞決定は騒々しかった

無事に芥川賞直木賞の銓衡会も一段落ということで、通常運転に戻りたいと思います。 芥川賞直木賞のエピソード本といえば、手元にあったのは永井龍男『回想の芥川・直木賞』(文春文庫)。回想の芥川・直木賞 (文春文庫 (289‐1))作者: 永井龍男出版社/メーカ…

【刺さる読書#025】直木賞受賞作『下町ロケット』読んで、気になったあのシーンの数々

池井戸潤『下町ロケット』(小学館文庫)、読了。昨夜の読書会の課題テキスト。ぼくはこの作者の作品、初読でした。第145回直木賞受賞作で、累計100万部突破(/""-"") というから、詳述は省きました。下町ロケット (小学館文庫)作者: 池井戸潤出版社/メ…

【らじおトーク】第89回「第151回芥川賞直木賞を(よまずに)予想する!」の巻

W杯決勝の余韻のさなかに失礼します。 今週なかばにある、第151回芥川賞直木賞の銓衡結果予想について、恒例 ホンの駄話「本棚らじお。」です。今回の候補作は、こちら。 http://thx.hateblo.jp/entry/20140626/1403767864前回はずいぶんと意気込んで読んだ…

【刺さる読書#024】柴崎友香「春の庭」( 第151回芥川賞直木賞候補作を読んでみる #2)

柴崎友香「春の庭」(「文學界」2014.6月号所収)、読了。文学界 2012年 06月号 [雑誌]出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/05/07メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 46回この商品を含むブログ (3件) を見る主人公の太郎は元美容師で、しばらくまえに離婚…

【刺さる読書023】戌井昭人「どろにやいと」( 第151回芥川賞直木賞候補作を読んでみる #1)

戌井昭人「どろにやいと」(「群像」2014.1月号所収)、読了。ようやく手元に届いた、第151回芥川賞候補作の一編。 この作家を読むのは二度目。芥川賞候補には、今回のなかでは最多の5回ノミネート。 前回読んだのはたしか『すっぽん心中』だったが、え…

【らじおトーク】第87回「バルバラ『赤い橋の殺人』を語る」の巻

毎週金曜日の配信をちょい前倒しして、恒例 ホンの駄話「本棚らじお。」です。今回は、バルバラ『赤い橋の殺人』(光文社古典新訳文庫)を読みました。赤い橋の殺人 (光文社古典新訳文庫)作者: シャルルバルバラ,Charles Barbara,亀谷乃里出版社/メーカー: …

【刺さる読書022】ウェルズ『タイムマシン』を読んで、120年前の想像力のたくましさに触れる

H・G・ウェルズ『タイムマシン』(光文社古典新訳文庫)読了。タイムマシン (光文社古典新訳文庫)作者: ハーバート・ジョージウェルズ,Herbert George Wells,池央耿出版社/メーカー: 光文社発売日: 2012/04/12メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含む…

【らじおトーク】第86回「グレアム・グリーン『情事の終り』を語る」の巻

毎週金曜日は、恒例(にします)ホンの駄話「本棚らじお。」の紹介。今回は、グレアム・グリーン『情事の終り』(新潮文庫)を読みました。情事の終り (新潮文庫)作者: グレアムグリーン,Graham Greene,上岡伸雄出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/04/28メ…

【刺さる読書・番外編】 第151回芥川賞直木賞候補作を読んでみる #0

<芥川賞と直木賞の候補作発表される> http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140620/k10015362341000.html 第151回の芥川賞と直木賞の候補作が20日に発表され、このうち芥川賞は、漫画家としても活躍する小林エリカさんや、デビュー作が文芸誌の新人賞を…

【刺さる読書#014】ゴーゴリ「鼻」には、落語が似合います

*ネタバレありニコライ・ゴーゴリ「鼻」(浦雅春訳、ゴーゴリ『鼻/外套/査察官』所収、光文社古典新訳文庫)、読了。この短編、書かれたのは1833年から1835年にかけてで、発表が1836年だとか。すいぶん時間をかけている。鼻/外套/査察官 (光文社古典新訳…

noteでコラボしてみた

かさこ塾の同期生である、「東京無職」というブログを更新中のミルフィーユ千葉さんと、noteというサービスで、はじめて「リレー小説」というコラボをしてみました。「リレー小説」というのは、いろいろとバリエーションがありますが、要するに書き手それぞ…

【刺さる読書012】バルバラ『赤い橋の殺人』を読んで改めて感じた、古典はエンターテインメント

※ネタバレ注意※バルバラ『赤い橋の殺人』(亀谷乃里訳、光文社古典新訳文庫)、読了。 新刊で書店に並んだときに、ちらと背表紙だけは確認したが、バルバラという作者にピンとこなかったので、そのまま素通りしてしまっていた。 後で、「週刊文春」で坪内祐…

【刺さる読書011】『笑う警官』に見た、警察小説の原点

※ネタバレ記述あります。マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールー『刑事マルティン・ベック 笑う警官(The Laughing Policeman)』(柳沢由美子訳、角川文庫)、読了。どこかで聞いたことがあると思ったら、同名の佐々木譲の小説だった。刑事マルティン・ベ…

【刺さる読書004】 村上春樹「ドライブ・マイ・カー」に見る、”あっちの世界”と”こっちの世界”

※ネタバレ記述あり。村上春樹「ドライブ・マイ・カー」(『女のいない男たち』所収)、読了。タイトルの「ドライブ・マイ・カー」は、『ノルウェイの森』と同じく、ビートルズのアルバム「ラバー・ソウル」に収められた曲を想起させる。女のいない男たち作者…

【刺さる読書003】 川端康成『片腕』は、エロ怖かった!

川端康成「片腕」、読了。 川端は、『古都』を大学のときに読んだくらいだったか。あらすじやらなんやらはすっかり忘れていて、ひらがなが多いなという印象しかない。 『雪国』も読んだはずだが同じく記憶に残っていないし、『伊豆の踊子』『眠れる美女』と…