慶應鶏肋録

めし、フロ、慶應通信の勉強(卒論)、ついでの雑用とか

0100 刺さる読書

【誤読の旅人 #62】 2014衆院解散で、たまには政治の本とか読んでみました

衆院解散、といっても、人生の些事に忙しい身にはなんのことやら整理がつかない。 そもそもなんでこの時期に解散しなきゃならんのか。 政(まつりごと)の世界はようわからん、とも言ってらんないのは解っているが。 ここ数日は、その政に関する本を読んでい…

【誤読の旅人 #61】池谷裕二・糸井重里『海馬』を読んで、こころに残った言葉を書き連ねてみました

池谷裕二・糸井重里『海馬』(新潮文庫)をつらつらと拾い読みしながら、印象に残ったくだりをメモしてみた。ちょっと自己啓発っぽいかな。海馬―脳は疲れない (新潮文庫)作者: 池谷裕二,糸井重里出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/06メディア: 文庫購入: …

【刺さる読書 #60】 山口瞳「冬の公園」を、初冬の日差しで暖かいベンチにすわって読むなんてちょっと贅沢かしら

ままならないことだらけの人生で、子どものことはその上位に来ると思う。 先週は、顔に発疹がでた、膝を打って腫れている、熱がでた、と保育園から3日も呼び出しを食らった。 こうなると、仕事どころではない。 仕事ばかりか、三連休の遠出の予定もフイにな…

【らじおトーク傑作選 #3】第23回「沢木耕太郎『キャパの十字架』出版記念!」の巻

お休みの日に、脱力のらじおトーク傑作選、お送りします ノンフィクション作家・沢木耕太郎さんの『キャパの十字架』が刊行されました。 相変わらずの積読状態のホンちゃん、ブンちゃんですが、沢木さんのことは嫌いじゃありません。紀行文好きをカミングア…

【らじおトーク #101】【緊急放談】「ノーベル文学賞残念会!」の巻

しばらくまえの話で恐縮(収録は発表翌日だったのですけど)。 今年のノーベル文学賞が発表されました。残念ながらホンちゃん、ブンちゃんイチオシの村上春樹さんは、またしても落選。 ふたりでクダを巻きつつ、話題はノーベル平和賞にまで飛び火してw。失わ…

【刺さる読書 #59】加藤典洋『村上春樹の短編を英語で読む』を手にしたら、久しぶりに春樹さんの短編を読みたくなった、ってそのまんまじゃん(笑)

本棚を整理していて、村上春樹の最新短編集『女のいない男たち』(文藝春秋)がささっているのを見つけて、そういえば今年の春によく読んだなあと思い出した。あれから半年以上。季節は冬にさしかかっている。 そういえばと、加藤典洋『村上春樹の短編を英語…

【せんにゅう記】 総視聴率50000%の放送作家のアイデア発想術を聞いてきました (後編)

前回の『企画は、一言。』オーディオブック出版記念イベント投稿のつづき。 第一部後段は、株式会社オトバンクの久保田さんから、「いま求められる出版企画」というお話。ほぼメモレベルで失礼。 いま求められる企画とは・・・ 1.ターゲットが明確である。 …

【せんにゅう記】 総視聴率50000%の放送作家のアイデア発想術を聞いてきました (ざっくりですけど)

以前参加した、放送作家・石田章洋さんの著書『企画は、一言。』(JMAM)のオーディオブック出版記念イベントのざっくりレポート。別のブログの再掲です。 http://www.tokyodoshoten.co.jp/blog/?p=7241 手がけた番組の総視聴率50000%の放送作家が公開!ア…

【らじおトーク #99】「D・H・ロレンス『チャタレー夫人の恋人』はすごい名作だった!」の巻

らじおトーク100回まで、ラスイチ! ということで、今回も那古野のホンちゃんとの恒例行き当たりばったり合評会。戦後すぐ、「わいせつ物」として物議をかもした『チャタレー夫人』。 その新訳版が出ました。 さっそく手に取ったふたりでしたが、「わいせつ…

(追記)加藤秀俊『独学のすすめ』から再び言う、「あなたにいまほんとうに必要なのは、答えを求めることではなく、問いをつくることです」

以前、こんな記事を書いた。あなたにいまほんとうに必要なのは、答えを求めることではなく、問いをつくることです - spectrum life あなたにいまほんとうに必要なのは、答えを求めることではなく、問いをつくることです - spectrum lifeそれにリンクする話を…

【刺さる読書#058】加藤秀俊『独学のすすめ』も言ってる、学校ばかりが勉強の場ではない

あるジャンルの勉強をしようと、スクールのようなところに通おうかと思って、都内あちこちのスクールをネットで見て回ったのだけれど、どうもしっくりこない。そのことを、その勉強を進めてくれた人に話したら、 「それはムリしないことです。きっと独学で身…

【らじおトーク】第98回「新潮文庫100年記念アンソロジー『夢見る部屋』を読んだ!」の巻

らじおトーク100回まで、あと2回! ということで、今回も那古野のホンちゃんとの恒例行き当たりばったり合評会。新潮文庫創刊100年の記念アンソロジーが刊行されています。1冊10年区切りで全10巻の刊行予定だとか。 今回は1巻目『夢見る部屋』を読ん…

【刺さる読書#057】ブッシュ『正午二分前』で描かれた関東大震災から、まだ100年も経っていない

ノエル・F・ブッシュ『正午二分前 外国人記者の見た関東大震災』(向後英一訳、早川書房)、読了。1967年ハヤカワ文庫版の修正・再編集版。 防災の日ということもあって、関東大震災ものを読んでみた。正午二分前 (ハヤカワ・ノンフィクション・マスターピー…

【刺さる読書#56】ケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす』は80年前の小説なのに、「週刊新潮」の臭いがプンプン(笑)。

ケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす(THE POSTMAN ALWAYS RINGS TWICE)』(光文社古典新訳文庫版)、読了。 この小説、さいきん新潮文庫からも新訳されている。何回目化の映画化があるのか、どうなのか。郵便配達は二度ベルを鳴らす (光文社古典新訳文庫)…

【刺さる読書#55】ALS「アイス・バケツ・チャレンジ」もいいけど、ALSを知ることも大切だと教えてくれる3冊

ALS(筋萎縮性側索硬化症/amyotrophic lateral sclerosis、略称)の研究支援のために、アメリカではじまった「アイス・バケツ・チャレンジ」。 日本でも、各界の著名人が次々にアタマから氷水をかぶる動画が公開されると、瞬く間にブームになった。このチャ…

【刺さる読書#46】種田陽平『ジブリの世界を創る』を、つい仕事論として読んじゃったよでも面白いの

種田陽平『ジブリの世界を創る』(角川oneテーマ21)、読了。この時点で、ぼくはまだ映画(「思い出のマーニー」)本編は観ていない。日テレでのフィーチャー特番も観ていない。ほとんど情報なしで、この本を読んでみた。ジブリの世界を創る (角川oneテーマ2…

【刺さる読書 #038】柳広司『虎と月』を読んで、漢字の奥深さを改めて知りました

柳広司『虎と月』(文春文庫)、読了。 中島敦「山月記」をモチーフにしたミステリ。モチーフというか、後日談といってもいいか。虎と月 (文春文庫)作者: 柳広司出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/01/04メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見…

【刺さる読書 #37】アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』を読み終わったら、怖くなってついあたりを見回してしまった 2@.2@.

ネタバレあります。アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった(AND THEN THERE WERE NONE)』(青木久惠訳、ハヤカワ文庫)、読了。いわゆる「クリスティ文庫」*1もkindle版でたくさんででいるが、これらは新訳版なんだろうか。そして誰もいなくなった (…

地元”あるある”ネタで、クスリと笑う夏の午後 (しぞーか日記 #3)

日曜日の新聞の文化欄には読書コーナーが定番ですが、地元の新聞「静岡新聞」もその例にならって、書評欄がありました。ふと、県内週間ベストセラーランキングを見たら、その上位に『静岡ルール 静岡のんびりライフを楽しむための49のルール』(中経出版)…

【刺さる読書 #36】獅子文六『コーヒーと恋愛』で感じる、昭和時代のおおらかさ

獅子文六『コーヒーと恋愛』(ちくま文庫)、読了。この本を買ったのは紀伊國屋だったと思うが、あちこちの書店で「今年一番の小説」云々とイチオシだ。コーヒーと恋愛 (ちくま文庫)作者: 獅子文六出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/10/04メディア: Kin…

【刺さる読書 #035】カフカ『変身』でわかった、古典はエンターテインメントだよ

お盆の時期でお休みの方も多いので、ここしばらくはエンターテインメントの作品の感想文をあげることにします。 ネタバレ記述あり。ということで、まずはフランツ・カフカ「変身」(丘澤静也訳、光文社古典新訳文庫『変身、掟、その他2篇』所収)。 はじめ…

【刺さる読書 #034】杉本宏之『30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由』で感じたい、ひとりの生きた人間の”息づかい”

杉本宏之『30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由』(ダイヤモンド社)、読了。 いつも楽しく読ませてもらっているブログで、この本をやけに推してんなあと思ったら、こういうことでした(笑)。 起業して成功したいなら、失敗を恐…

【刺さる読書 #033】須藤シンジ『意識をデザインする仕事』で読書会をしました

先日行った読書会のレポートを書いていただきました。有り難うございます。 http://musashikosugi.blog.shinobi.jp/Entry/2748/課題テキストは『意識をデザインする仕事 「福祉の常識」を覆すピープルデザインが目指すもの』(阪急コミュニケーションズ)で…

【刺さる読書 #032】東浩紀『弱いつながり』を読んで改めて問い直してみる、現代に「旅」をする意味

東浩紀『弱いつながり 検索ワードを探す旅』(幻冬舎)、読了。 先日読んだ、佐々木俊尚の『自分でつくるセーフティネット』で、「弱い絆」の持つ強さ、みたいなことを語っていたのだが、同時期に本屋に並んでいた本書のテーマもまた「弱さ」である。弱いつ…

【らじおトーク】第92回「今年の新潮文庫の100冊から一冊選んでみたよ。」の巻

各社の文庫フェアが書店をにぎわす夏となりました。 そこで昨年に引き続き「新潮文庫の100冊」から一冊セレクトしようと意気込んだホンちゃんブンちゃん。 ところが、ふたりの選んだ本は見事にかぶったのでありました(笑) というわけで、恒例 ホンの駄話「本…

【刺さる読書 #031】米原万里『オリガ・モリソヴナの反語法』を懐かしく思い出した、夏の宵の口

ちょっと調べ物をしていたら、昔読んで書いたレビューを見つけました。 懐かしくて、ついサルベージ。オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)作者: 米原万里出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/10/20メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 88回この商品を…

読書会を50回やってみて。

まだ50回。 されど50回。 回数としてはたいしたことはないかもしれないが、正直、この集まりがそんなに長くつづくとは思ってもみなかった。昨夜、第50回目の読書会を、参加者の方のご厚意で課題テキストの著者にお越しいただくことが叶い、この節目の…

【刺さる読書 #030】佐々木俊尚『自分でつくるセーフティネット』を読んで思い出した、母からの言葉

佐々木俊尚『自分でつくるセーフティネット 生存戦略としてのIT入門』(大和書房)、読了。自分でつくるセーフティネット~生存戦略としてのIT入門~作者: 佐々木俊尚出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2014/07/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を…

【刺さる読書#029】本田靖春『我、拗ね者として生涯を閉ず』を読んで、「社会の木鐸」という言葉はまだ生きているのだろうかと遠い目に

本田靖春『我、拗ね者として生涯を閉ず』(Kindle版)を読了。 一読、なんでもっと早く読まなかったのかと悔いた。そのくらいに面白かった。我、拗ね者として生涯を閉ず(上) (講談社文庫)作者: 本田靖春出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/11/15メディア: …

【刺さる読書#028】小林泰三『アリス殺し』はホラーっぽいミステリで夏向きかしら

例によって、ネタバレっぽい記述あり*1。小林泰三『アリス殺し』(東京創元社)、読了*2。2014年度の「このミステリーがすごい!」4位作品。こういうランキングでは、4、5、6位に位置づけられるという中途半端さが個人的には愛おしい。アリス殺し (創元クラ…