慶應鶏肋録

めし、フロ、慶應通信の勉強(卒論)、ついでの雑用とか

【刺さる読書#017】『かんたんなのに、ほとんどの人がやっていないお店にファンをつくるウェブ発信の新ルール』が教えてくれる、人を集める10のコツ

f:id:zocalo:20140704111211j:plain

仲島ちひろ『かんたんなのに、ほとんどの人がやっていないお店にファンをつくるウェブ発信の新ルール』(角川書店)、読了。
人気キュレーションメディア&ネットショップ「箱庭」の情報発信、運営手法をあますところなく公開した本だ。

「箱庭」って?

箱庭は、ぼくもそうだが、男子はあまり知らない、立ち寄らない方が多いかもしれない。

  • 箱庭

http://www.haconiwa-mag.com/

「箱庭」は無名だった女性クリエイターたちが、2012年初夏にスタートさせたウェブマガジン(コミュニティ型メデイア)。

2012.511にスタートした、“ライフスタイル作りマガジン”。女性のウェブクリエイター、エディトリアルデザイナー、編集者などさまざまな職種の女子クリエイターが集まり、アート・デザイン・旅・写真・雑貨・ローカル情報など、気になるモノやコトを毎日発信しています。

というサイト。
スタートした年、トータル42,000のfacebook「いいね!」を獲得し、月刊リーチ数(投稿を見た人の数)が100万人以上にまで成長したという。

その箱庭はどうやって一からファンを増やして、しかも当初の雰囲気を壊さずにサイトが運営できているのか。
ここで書かれているのは、タイトル通り「かんたんなのに、ほとんどの人がやっていないweb発信の方法と、そのルール」で、ほんのちょっと情報発信の仕方を変えるだけで、多くの人に興味を持ってもらえる具体的なやり方だ。
そのノウハウを、惜しみなく載せてくれている。こんなにオープンにしちゃっていいのってくらい。

自分の会社やお店を経営されている方など、ファンを作りたいと思っている人向けに書かれているが、個人の情報発信力を高めたい方に向けても充分応用が利く。

キュレーターを目指す

まずはファンをつくりましょうというところからはじまるのだが、情報発信者は「ファンが好むキュレータになりましょう」という。
「キュレーション」の視点を持って、ルールをつくって発信するのだと。
キュレーションというのはもともと美術用語だが、さいきんではインターネット上の情報を収集しまとめることとか、あるいは収集した情報を分類してつなぎ合わせて、新しい価値を持たせて共有することを意味する。

この本では、「おもしろい情報を収集して、自分の視点で編集し、発信していくこと」くらいに考えればいいという。ちなみに、アクセスを集めるだけならキュレーション記事でも充分だが、自分たちの活動とか想いを前面に出すことで、自分たちのキャラクタを知ってもらい、コアなファンをつくるにはオリジナル記事の発信も大切だとしている。

「まずはビジョンを確認しよう」

キュレーターとして情報発信するさいには、自分が大切にする「ルール」が必要だという。
ここでいうルールというのは、

ウェブ上の情報を選ぶ際の基準、
その引用する情報を編集する際に気をつけることの基準、
オリジナルの記事をつくるときの基準、
要するに、情報をどのように発信するかの指針

このルールを設けたことで、情報発信がとても楽になったという。
その前に箱庭が言ってるのが、「まずはビジョンを確認しよう」。「自分はどうあるべきか」の整理なのだが、これも整理のためのフレームワークを教えてくれている。

人を集めるためのルール

肝腎のルールは10個ある。

視点を定める
マイナーなものにこだわる
役立つ情報を意識する
パッと見ただけで伝わるようにする
地元、地域を大切にする
自分の感じたことや想いを入れる
他人とコラボする
毎日更新する
リアルな活動情報を入れる
実際に使ってレポートする

そのほかにも、魅力的な写真の撮り方や「情報収集無料ツール6選」など、手軽なアプリ紹介とその使い方をからめながら、具体的に紹介されている。
ややもすると概念的な小難しい解説に流れそうなトピックを、「難しいことを解りやすく」という目線で噛み砕いて説明しようとしている態度に、「ああこれが女性的な気配りなんだな」と感じる。

明日からでも使えそうな方法ばかりだが、そのまま鵜呑みにするのではなく、自分のキャラクタや仕事に照らし合わせてアレンジメントし、実践することがまずは第一義でしょう。

したい人、10000人。
始める人、100人。
続ける人、1人。(中谷彰宏

しかし、見るからに楽しそうなサイトであります、箱庭。