慶應鶏肋録

めし、フロ、慶應通信の勉強(卒論)、ついでの雑用とか

読書会を50回やってみて。

まだ50回。
されど50回。
回数としてはたいしたことはないかもしれないが、正直、この集まりがそんなに長くつづくとは思ってもみなかった。

昨夜、第50回目の読書会を、参加者の方のご厚意で課題テキストの著者にお越しいただくことが叶い、この節目の回を開くことができた(見事に男子ばかり集まって、ガンダム読書会より女子率低かったですわ)。
http://ksgnc.hateblo.jp/entry/20140718/1405685181

いままで読んできたテキストの一覧の最初のほうを見ていただければ解るが、はじめたころはコミュニティデザイン(ソーシャルグッド)関係の本を多く取り上げているので、50回のテキストである、『意識をデザインする仕事』がそのジャンルに近いので、原点に戻った感じがした。

意識をデザインする仕事 「福祉の常識」を覆すピープルデザインが目指すもの

意識をデザインする仕事 「福祉の常識」を覆すピープルデザインが目指すもの

著者の須藤シンジさんからは、

とても形容し難い幸せなひと時でした。

との感想も頂戴した。
須藤さんはじめ、参加していただいたみなさん、どうも有り難うございました。
お陰様で、「面白くってためになる」を地で行く回にすることができました。

これまで参加いただいた多くのみなさん(延べ400名以上)、そしてサポートしていただいいている運営委員会のみなさん、NPOのスタッフのみなさんに、改めて感謝しています。
次回は9月ですので、また御贔屓に願います。
http://ksgnc.hateblo.jp/entry/20140729/1406598498

サークル的なじわじわとしたもの

もともとこの読書会は、ぼくが当時理事をしていたNPOのイベントに参加していた大学生ふたりの一言からはじまった。
若い人たちにも、地域コミュニティ活動に参加してもらいたいんです」
というので、ぼくは「じゃあ、なにか企画してよ」と言ったら、飲み会企画を提案してきた。

ぼくは「この企画は難しい(集客できない)だろうな」と直感的に思ったけれど、口にしないで、彼らにそのまま進行してもらった。(^.^)ご(-.-)め(__)ん(-。-)ね(^.^)。
案の定、ひとりの参加者も集めることはできなかった。

「どうする、やめる?」とぼくは彼らに聞いた。
「いや、ぼくらのやりたいのは、飲み会のようなそういう単発的なイベントじゃなくって、もっとサークル的なじわじわと人が集まってきて、持続的なものをやりたいんです」という。

「たとえばどんなこと?」と訊いたら、
「文月さんなら、なにをやりますか?」と逆に訊いてきたので、
(なんだよ、no ideaかよ)と思ったが、
「まあ、読書会っていうのも、ひとつアイデアとしてはあるんじゃないかな?」と答えたのが、まあスタートではある。

本を読んでこなくてもいいという読書会

その数年前に、作家・コラムニストの日垣隆さんが主催する読書会に何回か参加させてもらって、「読書会」という言葉の持つ堅苦しさとは正反対の面白さを充分感じていた。
日垣さんは、古典(あるときは課題テキストが7冊というときもあったりして)もビジネス書も、ご自身が面白そうと感じたテキストをどんどん取り上げていった。

参加する誰もが古典に精通しているわけでもなく、海外のビジネスシーンに詳しいわけではない。
二の足を踏みたくなるのは当然で、ましてや読書会なんて参加してことない人間からすれば、いったいどんな展開になるのか想像すらつかないのはよく解る。
さらに、「本を読んでこなくてもいい」とまで言うんですよ!
いったい、どんな会なんだ(笑)??

でも参加してみれば、それらはまったくの杞憂であって、ひとつの本をテーマにしてみんなで語ることの、そして話題がどんどんずれつつもそれを許容するその場の大らかな雰囲気と、さらにファシリテーションする日垣さんの話術の巧みさに、すっかり楽しんでいる自分を見つけたのである。

そういう経験から、無謀だけれどいつかは自分で読書会をやってみたいとは思っていた。
たまたまだけれどそれを実現できそうな機会があったので、「馬に乗ってみた」のである。そして、そうなることは予想できたが、ぼくがファシリテーションを担当することになった。

次の1回へ

読書会のやり方は知っている。
しかし、知っているのとじっさいにやるのとでは、ご存じのとおり、まったく違う。
だからトライアル期間を設けて、いろんな方に相談しつつ、じっさいにやってみて軌道修正しつつ、ということをしていった。

現在の読書会のスタイルは、参加者のみなさんにテキストの感想や印象に残った点などを、話の口火として聞いて、そこから話題が膨らむようにしていく進行だ(大規模な回は形式を変えている)。テーマがずれていっても、違う話題になっても、基本的にはぼくは妨げないようにしている。
もちろん、本は読んでこなくてもいい。
いろんな意見がでてくるけれど、それら多様な意見を尊重することをお願いしている。
なにより、みなさんに共通のテキストをもとに、語ることの楽しさを味わっていただければと思っている。


まだ50回。
されど50回。
当初この投稿を、「読書会を50回やってみて気づいた3つのこと」なんてタイトルにしようと思ったけれど、やめた。

ここまでいろんなことがあって正直幾度か止めようと思ったこともあったけれど、また今秋にお目にかかれればと思っています。
よかったら、一度ふらっと立ち寄ってみてください。