慶應鶏肋録

めし、フロ、慶應通信の勉強(卒論)、ついでの雑用とか

インタヴューアー十ヶ条

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書棚のスクラップを整理していたら、なんといろいろと懐かしいものが出てくること出てくること。思わずその場に座り込んで、眺め入ってしまった。

その束のなかに、筒井康隆がインタヴューについて書いた一文があったので、メモしておく。これはインタヴューイーからの、インタヴュアーへの注文、希望、示唆だという。

  • インタヴューアー十ヶ条(抜粋、要約)
  1. 前もって相手に関する下調べをする。特に、現在どんな位置についているか。つまり最新の仕事や、功績や、どんな賞をとっているかなど。(略)
  2. 相手の言ったことばを文脈で理解すること。録音テープを一度聞いただけで、相手のことばの部分部分だけを表面的になぞって原稿起こしをするのではなく、前後のことばとの関係を正しく捕らえること。(略)
  3. 簡潔にリライトする際、自分によくわからないからというたげの理由で、その部分をカットしないこと。
  4. 質問に、自分の意見をさしはさまないこと。(略)
  5. 相手の話がわかりにくくなった時は、自分の質問のしかたに影響されているためではないかと疑い、気遣うこと。
  6. 原稿起こしの段階でわからない部分は相手に訊ねる。全体として自信がない時は、相手が面倒がったり迷惑そうにしたりするのではないかと恐れたりせず、遠慮なしにゲラを送り、校正して貰ってよい。(略)
  7. 無礼な質問わした場合には、報復として真実でない答えが返ってくることを覚悟しなければならない。
  8. いかに偉い相手でも、ギャグに対して笑いを堪える必要はない。その方が失礼に当たる。
  9. インタヴューイーの地位は、教養、学歴に関係なく、常にインタヴュアーより上。
  10. 極めて常識的に、衣服の悪臭、頭髪の悪臭や不潔、口臭、顔面の発汗、「ふんふんふん」という鼻先での軽い返事などは避けねばならない。

筒井康隆『狂犬楼からの眺望』より)