人はだれでもみな、愛おしい人と死別しなければならなくて、それは人生でいちばん大きなかなしみで、わたしたちは、それでも生きていかなければならない。
親しい人がいたときと、いないときでは、世界はガラリと変わる。けれど、変わるのはわたしのこころであって、世界ではない。しばらくは、その変わらないことが、どうしようもなくつらいが、変わらない世界は、親しい人が暮らし、愛した世界でもある。
「さよなら」をしたあとで、わたしは、その人が暮らした町で、家で、もしくは、そことは違う遠い場所で、その人がくれた愛情とともに、ゆっくりと生きていく。
ぼくは、『さよならのあとで』というタイトルに、そんな思いを込めた。(島田潤一郎『あしたから出版社』より。引用者適宜改行)
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