慶應鶏肋録

めし、フロ、慶應通信の勉強(卒論)、ついでの雑用とか

AIの現在と可能性 ~『人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?』

山本一成『人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?』、読了。

先日、『情報の歴史』にAIの記述を見つけたことを話したのだが、それから20年たって、人工知能は将棋、囲碁で人間を超えるようになった。

本書は、コンピュータ将棋ソフト・ポナンザの開発者による、AIの入門書であり解説書。とっつきやすさでは類書の中でも一頭抜きん出ていると感じる。

昨日6/6、第75期名人戦七番勝負で、佐藤天彦名人が挑戦者の稲葉陽八段に勝って4勝2敗で、初防衛を果たした。
その佐藤天彦名人に第2期電王戦で2連勝したのが、ポナンザである。
いったい、ポナンザとはなにか、AIとはなにか、なぜここまで強くなれたのか。 さまざま湧き上がる疑問を、コンピュータの原理とともにAIのキーワードである「機械学習」「深層学習(ディープラーニング)」「強化学習」を解説しつつ、解き明かしてくれている。
詳細なレビューはこちらに譲るが、AIが、人の持つ「人はあらゆるものに意味を感じ、物語を読みとろうとする」制約(もちろんそれが大変な長所であるという前提であるが、それが自由な発想と行動を妨げている場合もある)からまったく自由であるということを、彼が〈成長〉するにしたがって、人間に示していっているということに、わたしは現在のAIの進化に風が吹いているのを感じる。
将棋が解らなくてもAIがちんぷんかんぷんでも、この本、とってもとっつきやすいですし、なにより風通しがいい。
っつーことで、キーポンスマイルでいきましょう!