※※ネタバレ注意※
初回作がヒットすれば続編、というのは古今東西どこでもある話。「ゴジラ」もご多分にもれずに、その第2弾は『ゴジラの逆襲』の製作となった。公開は1955年4月24日だったが、実質の製作期間は3ヶ月に待たなかったとか。
本編の舞台は大阪。興行大成功を受けて、関西でもゴジラをひと暴れさせてほしいとの声からだったという。ゴジラの他に、怪獣アンギラスが登場する。
とにかく急いで作りました感は否めないが、関西の人たち(とりわけ大阪人)は喜んだに違いない。大阪の港湾地区からはじまり、市街地や地下鉄などを、ゴジラとアンギラスは次々と破壊してくれていった。
極めつけは大阪城。
上陸したゴジラと、追ってきたアンギラスとの決戦の場となった。ゴジラがアンギラスの喉を噛み切って、両者の決着がつく場所である*1。
映画としては、ここがクライマックスといっていいんじゃないか。後半は舞台が北海道(小樽?)に移り、ゴジラが再び姿をあらわす。千島列島の神子島に上陸したところを、島を覆う雪で雪崩を起こし、ゴジラを氷結させる作戦が展開される。
江戸の仇を長崎で、ということなんだろうが、オキシジェンデストロイヤーがないとあっては、手持ちのカードはなかなかに限られてくる。
原作者の香山滋もずいぶん悩んだようだ。香山はゴジラに対する愛着から、再びゴジラを殺すのは忍びなく、氷の中に閉じ込めるという結末に落ち着いた。香山はこれ以降の続編を書くことを何度か依頼されるも、「ゴジラを殺すのはかわいそうだ」とこれ以上は書きたくないと、依頼を拒み続けたという。
前作の緊張感はすでになく、いやたしかに大阪を舞台にしたシーンは「灯火管制」もあり、真っ暗な夜のシーンは戦中を思い出させるのに充分ではあろうが、後半が進むにつれて、ゴジラという存在がエンタテインメント化していく未来が読み取れてしまう。
「核」という最終兵器は一切出てこずに、自衛隊ではなく「日本防衛軍」の戦闘機部隊が、通常兵器を使ってゴジラを殺すのではなく、封じ込めるにとどまる(つまりは何度も復活が可能となった)。
こうやって、原水爆の申し子は都度生き返ることとなり、惨禍を与えた国のエンタテイメントに貢献するようになっていくのである。
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