慶應鶏肋録

めし、フロ、慶應通信の勉強(卒論)、ついでの雑用とか

いや、もうゴジラである必然性はゼロではあるけれども・・・(「ゴジラ」映画シリーズ #7)

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キングコングの代役

ゴジラシリーズ」の第7作目は、「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」である。1966年公開。
この話は、当初ゴジラ企画ではなかったらしい。南海の孤島を舞台に、キングコング、エビラ、モスラの3大怪獣の登場する日米合作の特撮映画企画のはずだった。
しかし、アメリカ側が難色を示したため、この企画ふたつに分裂。ひとつは、『キングコングの逆襲』(1967年)、もうひとつが、主役キングコングゴジラに置き代えて、本編になった。


ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘 - YouTube

日本を襲わないゴジラ

主人公の良太は、南洋でマグロ漁船ごと行方不明になった漁師である、兄の彌太が生きているとの恐山のイタコの託宣を信じて、ひとり上京する。
警察でもマスコミ各社でも相手にされない良太は、行き着いたとある新聞社で、賞品にヨットのプレゼントが懸かった「72時間耐久ラリーダンス大会」を知る。
試合会場を訪れた良太は、 途中でギブアップした出場者の大学生・仁田、市野と知り合い、そのまま勢いで葉山海岸に向かう。3人は港に停泊中のヨット「ヤーレン号」 に無断で泊まり込むが、そこには訳あり風の男、吉村がオーナー顔で拳銃を片手に寝転がっていた。

翌朝目が覚めた一同は、良太がヤーレン号を操作して、とっくに港を離れて海上にあることを知り愕然とする。さらに、ラジオニュースで金庫破りのニュースを聞き、それが吉村本人ではないかと一同訝しむ。

とはいえ、すでに日本に引き返すこともままならず、良太の兄探しに同行する羽目となった吉村らだが、突如暴風が発生し、そのなかで謎の巨大生物に襲われて、船は木っ端微塵、一同は南海の孤島レッチ島に流れ着く。

このプロットに違和感を感じたら、あなたは鋭いが、この映画ではゴジラは日本を襲わないのである。これは、この映画がもともとゴジラものとして考えられたのではなく、キングコングものとして企画されたせいかもしれない。
とはいえ、彌太を探しに南洋まで出向くまでのストーリィが行き当たりばったりのようでもあり、いやいやけっこうひねられている気もしたりして、意外に引きこまれてしまう。
映画の冒頭に登場する耐久ダンス大会も笑える。ゴーゴーの耐久レースで優勝すれば太平洋横断可能ヨットをプレゼントというのも豪快ではあるが、そのために参加者は3日間踊り続けなければならないというほうがスゴい(笑)。

肝腎なときにモスラは寝ている

島に上陸した一同だが、この島は秘密結社「赤イ竹」が支配し、島には核兵器工場が建てられていた。
漂着した良太らの見守る中で、赤イ竹の輸送定期船から脱走奴隷が海へ逃れようとしたが、その先に巨大なエビ怪獣「エビラ」(そのままのネーミング!)が出現し、その餌食になってしまう。ヤーレン号を転覆させたのもエビラだった。
そして、赤イ竹は、モスラの住むインファント島の住民を強制連行して、エビラの苦手とする黄色い木の実汁の製造に従事させていた。

そのころモスラは長い眠りについており(なんで島民最大の危機なのに寝てるんだよ!)、島民はなんとか目を覚まさせようとモスラの前で踊り明かすのだった。

島からの脱出を図る吉村たちは、インファント島の娘で赤イ竹から脱走してきたダヨと知り合う。ダヨは彌太がインファント島にいると良太に教える。
やがて彼らは、偶然島の谷底に眠っていたゴジラを発見。ゴジラを脱走の道具にしようと考え、避雷針を立てて落雷による電気ショックを与えて復活させる。

ゴジラが添え物に

目を覚ましたゴジラはエビラと戦うが、決着はつかない。その腹いせかどうか、ゴジラは島で暴れはじめる。
やがて防衛線を突破したゴジラは工場施設を破壊、赤イ竹は核兵器による島の自爆装置を作動させた。しかし、島から脱出しようとした赤イ竹一行はエビラにより全滅した。

そして再び激突するゴジラとエビラ。ようやく目覚めたモスラは島民の救出のためレッチ島に向かう。南海の大決闘が繰り広げられようとしていた。

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感想まとめ

別にゴジラが登場する必要性はこれっぽっちもない話なのであるが、面白くなかったかといわれると、いや意外に悪くない、というのが印象。音楽も軽快で、楽しませていただきましたっ。
じつをいうと、水野久美も悪くないのである。