慶應鶏肋録

めし、フロ、慶應通信の勉強(卒論)、ついでの雑用とか

宿敵・キングギドラ登場! (「ゴジラ」映画シリーズ #5)

朝日で「誕生60年 ゴジラの警告」

今日はおかーさんが終日お出かけなので、娘と息子とで公園へ。
出かける際に、なぜかいつもは持たない新聞(朝日新聞)をそのままポストから取って、公園で娘が遊んでいる傍らベンチで広げたら、三面にこの記事です。

戦争・原発、ゴジラ60年の警告 米国でリメーク:朝日新聞デジタル

戦争と核の恐怖を背景に、ゴジラがスクリーンに登場して60年。米国で今年リメーク版が完成し、日本でもこの夏、公開される。再び脚光を浴びる特撮映画の「元祖」に、いまという時代の危うさを重ねる人たちがいる。

1954年公開の1作目に主演した俳優宝田明さん(80)は今年、30を超すメディアの取材を受けた。1本も断っていない。戦争を知る世代として、いま感じる「きな臭さ」も一緒に伝えたいと思うからだ。

「戦争の悲惨さを描いたゴジラに共感できたあの国は、どこにいったのか」

宝田明、シリーズではよく動いているよなあ。

最大の敵、ついにあらわる

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昭和ゴジラシリーズ第5弾は、「三大怪獣 地球最大の決戦」。1964年12月20日に公開されているが、同じ時期に公開予定のはずだった、黒澤明監督の「赤ひげ」の撮影が長引いたため、この年ゴジラ映画は『モスラゴジラ』につづいて、2本制作された。
この映画で、ゴジラ最大のライバル、キングギドラが本邦初お目見えとなった。


三大怪獣 地球最大の決戦 (1964) 予告編 BD Full HD 1080p trailer ...

「三大怪獣」というのは、ゴジララドンモスラの3体の怪獣のことで、俗に「東宝三大怪獣」と呼ばれている。三大怪獣同士は、互いに種族は違うものの、鳴き声などを通じて明確な意思疎通を行うことができている。
ここには、キングギドラは入らない。彼はあくまでもよそ者であり、キャラの立ち位置は人類の敵である。
つまりこの映画は、「キングギドラ東宝三大怪獣」の闘いなのである。

キングギドラは、ゴジラと同様に内部にスーツアクターが入って演技する「着ぐるみ怪獣」だが、見ての通り、3つの頭に加えて大きな双翼、さらに2本の尻尾を持っている。
その上、おのおののパーツが独立した動きをするため、ピアノ線による操作が必要だったが、そこにかかわるスタッフは当時で25名前後の員数だったという。手間のかかる操作演技ゆえに、東宝特撮怪獣映画の最盛期を象徴する存在といわれている。

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前作で「ヒール」として存在したゴジラは、この映画でキャラの立ち位置が180度転回し、人間の見方についた(とはいうものの、モスラのように全面的にというわけではない)。
同時に、「人類(日本)の脅威」であるゴジラを描くという作品姿勢も転機を迎えて、以降のゴジラシリーズは怪獣同士の格闘劇へと変化する。

あらすじ

異常気象に見舞われた日本。1月なのに猛暑が続き、連夜流星群が地球に飛来していた。そのなかで、巨大な隕石が黒部ダム近くに落下した。

同じ頃、警視庁の刑事である進藤は、極秘来日するセルジナ公国のサルノ王女の護衛を命じられたが、王女を乗せた飛行機は仕掛けられた爆弾により爆破、墜落してしまう。
その事件の後、「金星人」と名乗り地球の危機を訴える男装の女性が東京に現れ、ラドンの復活やゴジラの出現を予言し警告する。

進藤は、その女性「金星人」が死亡したはずのサルノ王女だと確信し、単独で捜査を開始。その頃来日していた、インファント島の小美人たちは、金星人の警告を信じ、帰船を避ける。
進藤の妹・直子は金星人を保護するが、そこをセルジナから来た暗殺者の一味が来襲。彼らは金星人がサルノ王女だと見知ったのだったが、小美人たちの機転もあって暗殺自体は失敗する。

その頃、金星人の予言通り、阿蘇山からはラドンが出現し、インファント島への船は海から現われたゴジラに襲撃される。進藤たちは、サルノ王女の精神疾患を疑い、彼女を富士山麓にある精神医学の権威・塚本博士の研究所へ連れて行くが、診察の結果は異常なしと出た。

じつは王女には、5000年前に地球へ逃れてきた金星人の血が流れており、飛行機事故の直前のある出来事により、その血の力が甦って、予知能力を発揮していたのだ。

彼女は、5000年前に金星を滅ぼした宇宙最強の怪獣キングギドラが姿を現すと語る。その言葉通り、黒部に落下した隕石から、キングギドラが誕生する。

キングギドラの圧倒的な破壊力に日本防衛軍もなにもできない。日本各地を破壊しつづけるキングギドラに対抗するため、小美人はモスラを 呼ぼうとするも、モスラ単独では勝ち目はない。

そこで、戦い続けるゴジララドンに対し、モスラは協力して一緒に共に戦うように説得する。説得は失敗し、2体はこれを拒否するが、やむなく単身キングギドラに戦いを挑むモスラの悲壮な姿を見て、共闘を決意する。

3体からの猛攻を受けたキングギドラは、ついに空の彼方へ逃げ去る。王女の暗殺団はキン グギドラが起こした落石によって全滅し、王女自身も金星人から元に戻った。
全てが終わった時、王女は進藤に抱いた淡い恋心を明かし、静かにセルジナへ去ってゆく。
戦いを終えたモスラも海を渡ってインファント島へと帰り、共闘し初めて人類の危機を救ったゴジララドンが、その姿を陸地から静かに見送っていった。

オトナの恋を描いた?

この映画を観て、ああ、これは「ローマの休日」だと思った。進藤とサルノ王女との。もう設定の荒唐無稽さは承知の上だが、ストーリィはそれなりにうまくできているように感じられた。
ゴジラプラトニックラブ、というのが、この映画。
怪獣と大人の恋、それも恋のほうは実らない宿命だ。

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娘とふたり観ましたが、もうキングギドラにビビりまくってました(苦笑)。
ぼくは好きですね、キングギドラ。この問答無用の非常さと、キャラの立ち位置がぶれてないから。